群馬県における囲碁普及活動についての報告

                           氣賀康夫


囲碁三田会は、地区に於ける囲碁活動を重視しており、これまでに金澤、藤森会員などが尽力された多摩地区、西谷、小泉会員が力を入れられた神奈川、また山本会員を中心とする関西、安井会員を中心とする中京、そして山下会長の居られる千葉、さらには根橋会員を中心とする東京地区などが次々に組織化されてきております。

当会山下会長は学校における囲碁教育にも力を入れており、塾における大学での正科取り入れはすでに実現を見ていますが、さらには下級学校でも普通部、塾高でのクラブ活動、あるいは幼稚舎での教育への正規活用にも尽力されています。山下会長は最近では、塾のみならず、千葉県下の大学に囲碁を教科として取り入れるように勧める活動も行っており、すでにその成果が現れつつあります。


今回はそのような地区の大学教育における囲碁の活用に関し、地道な努力を続けて成果を上げている群馬県の柴山会員の例をご紹介したいと思います。

群馬県高崎市には塾囲碁部昭和41年卒業の柴山雄二郎先輩がおられ、これまでも県の囲碁界で活躍して来られたことは皆様のお耳に達していることと思います。仕事から解放されて、2012年4月に柴山会員は日本棋院高崎支部長に就任され、高崎市でご活躍でしたが、さらには2015年4月からは日本棋院群馬県支部連合会会長に就任しておられ、そして、同じ9月からは関東甲信越静囲碁連盟の理事にもなっておられます。棋力は日本棋院の八段の免状を取得しておられる実力者であり、地方紙の囲碁欄ではプロに挑戦して勝利した棋譜などを見ることもできます。

そのような対局でのご活躍もさることながら、最近は大学での囲碁教育に特に力を入れておられ、その成果として、高崎経済大学、高崎健康福祉大学については2017年から授業が始まることになっています。その他、授業に取り入れる手続きを進めつつあるTF大学、A女子大学の例もあります。あとは実施の時期だけが問題なだけです。

このように囲碁三田会会員の努力で大学の囲碁教育が盛んになることは会員全員にとってもたいへん嬉しいニュースです。

柴山会員は現在、高崎市城址公民館で毎週こどものための囲碁教室を開催していますが、囲碁人口はこどもと60歳以上とに二極化しており30〜50歳の層への普及が大切と認識しておられます。

県下の囲碁会の活動にも力を入れておられ、昨年末の日本棋院高崎支部設立30周年記念碁会には塾員でもある吉原由香里六段をゲストにお招きになりました。

また、2014年には高崎市長杯囲碁大会を創立され、2014年の第一回には青木喜久代八段、2015年の第二回には木部夏生初段、2016年の第三回には本木克弥七段を指導棋士に招いて盛大に会を開催いたしました。この2017年は10月15日青葉かおり五段を招いて開催予定となっています。なお、こども囲碁指導に関しては、2015年以来毎年穂坂繭三段を指導棋士としてお招きご協力いただいているそうです。

なお、最後に付け加えたいのは柴山会員のお孫さんである柴山響君のことです。響君は小学校4年生のとき、おじい様のこども教室に行ってみて、それから漫画「ヒカルの碁」を読んで囲碁に興味を持たれたそうです。そして、「ヒカルの碁」を読んで囲碁のプロになろうと決心しました。4年で始めるのでは遅いという意見もあったようですが、5年で初段を取り、6年で六段を取得されました。そして現在は有名な洪道場に通って勉強しています。この3月に小学校を卒業され、4月からは中学生です。今の目標は中学生の囲碁大会での活躍ですが、いくいくはプロになる夢を捨てないで棋力向上に努力すると決意を語っています。柴山会員も身長でそろそろ追いつき追い抜かれそうだが、囲碁でもそうなるだろうと目を細くしておられます。われわれも柴山会員とともに響初段の名が週刊囲碁に載る日を楽しみにいたしましょう。


響くんの棋譜 (クリックしてください)

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